(画像:竣工式典パンフレット表紙) 平成28年度に設計を行った堀米配水場配水池が完成し、平成30年8月1日竣工式典へ招待されました。

(画像:竣工式典パンフレットない図面) 堀米配水池は、本施工前に築40年を超えるRC造の配水池2基と平成8年に築造されたPC造タンク1基の計3基にて配水がされていましたが、RC造配水池2基が耐震性能診断で耐震補修及び耐震補強対策が必要との結果となった事で撤去・新設が計画されました。また、佐野市が田沼地区と合併した事で市内にある20を超える配水場のうち老朽化した施設を廃止し、堀米配水場が受け持つ給水エリアを拡大する計画となり、より多くの配水池容量が必要となった事も挙げられます。
 設計に先立ち、新設する配水池の容量を決定するため、統合する地区、新たに見込む地区の過去13年間の配水量を集計し、そのうち最大となった配水量の実績値から配水池容量7,000m3を決定しました。配水場配水池の形式は、ステンレス製、鉄筋コンクリート製等の数種類あるため形式ごとに概算工事を算出し、最も安価となったプレストレストコンクリート製(PC製)を選定しました。配水池の屋根構造や配水池内部の内面塗装の形式等も全て考慮したうえで比較検討を行い、ドーム型の形式を選定しました。
 設計業務の工種としては、配水池本体の設計、場内の配管布設替え、老朽化した場外配管の布設替え、計装設備の設計及び電気配管の設計がメインでした。本体の設計はもとより、配管設備の設計は場内に複雑に埋設された配管のうち掘削に影響の出る箇所、出ない箇所を判断し、残置させる配水管のうち老朽化している配管及びバルブは布設替えという難解な検討に多くの時間を費やしました。特筆する点としては、震災等の災害時において配水池内に貯留した水の流出を防ぐため緊急遮断弁を提案した事が挙げられます。緊急遮断弁は、地震・地滑り等の災害時において水道管路が破損した場合、水道水が大量に流出するだけでなく流出した水による二次災害を引き起こす可能性があります。それを防ぐため主要な配水池には緊急遮断装置を設置し、非常時において水道水の流出を防ぐ装置です。緊急遮断弁は、1設備1,000万円を超えるため水道局も設置の判断に慎重でしたが、緊急性と市民の安全性を優先することになりました。
 佐野市始まって以来の大事業といわれる、この堀米配水場配水池の計画及び設計に携わる事が出来て光栄です。竣工式典が終了した後に配水池の屋根の上に登らせて頂き、そこから見た眺望が素晴らしく、良い記念となりました。

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